不動産会社の営業担当者を信頼できるかどうか見極めポイント
中古物件ほど、担当営業者の力量によって、売主さんの満足度に大きな違いが生まれる
新築マンションの販売センターに行けば、モデルルームや物件完成パースなど豊富なビジュアル情報があります。パンフレット、図面集なども充実しており、いわば情報面は誰にでも十分に満たされているのです。
さらに、売り手であるデベロッパーの責任下で、売買契約やアフターサービスまでが社内体制として完壁に整えられています。ですから、営業マンで選ぶ必然性がないともいえます。
一方、中古マンションを購入・売却する場合は、営業マンを重視したほうがいいでしょう。
新築マンションと違って、中古の購入・売却の場合、一定の決まったやり方というものがないのです。売り手、買い手に不動産会社から与えられる情報もまちまちで、すべて「会社によって、担当者によって違う」のです。そして、売り手や買い手は、会社によってやり方が違うということさえも知らないことがほとんどです。
いくら不動産会社としてサービスが充実していて、売却の実績があっても、結局は営業担当者次第というところは、実際問題としてあります。以下のポイントを参考に、信頼できる営業担当者かどうかを確かめてください。
①売り急がさないで適切なタイミングをアドバイスしてくれるか
物件を売るには適切なタイミングというものがあります。ところが、会社から売り上げ目標を課せられている営業担当者としては、売り上げを上げるためにとにかく売らなくてはならないと考えてしまいがちです。なので、「今が売り時です」「すぐに売ったほうがいいですよ」と言って勧めてくる営業担当者は避けたほうが無難です。
会社の売り上げ目標ではなく、顧客の立場になって考えてくれる営業担当者を探したいものです。例えば、同じマンションに売り出し中の部屋がまだ1件あるので、それが売れるまで待ったほうがいいですねと言った感じで、明確な根拠を示して提案できるような営業担当者であれば安心です。
②インスペクション、瑕疵保険、住宅履歴について知識があるか
中古住宅市場において近年注目されている要素です。場合によっては物件の価値を高めることもできるので、営業担当者にはぜひ知っておいて欲しいものです。
③物件に関する依頼や連絡に即応してくれるか
物件の売却はタイミングが命です。購入であれば、ある物件を買えなかったとしても、次を探せばいいと考えることができますが、売却ではそうはいきません。購入を検討している人からの問い合わせに対して、迅速に対応できないと、売れるものも売れなくなってしまいます。
具体例としては、売りに出している物件について営業担当者が浄化槽か本下水かを知らなかったために、買い主の質問に答えられず、調べている間に買い主がほかの物件に移ってしまったというケースもあります。
あらゆる調査を事前に済ませて、的確に情報提供できる状態にしておくのはもちろんのこと、購入希望者からの問い合わせに対して速やかに応えられる担当者でなければ、タイミングを逃してしまいます。査定を依頼する段階で、スピーディーな対応ができる営業担当者かどうかをチェックするようにしましょう。
④不動産取引について基本的な税金の知識があるか
税制の知識がなかったために、買い主に対して税金面の有利な情報を教えられなかったり、売る時に役立つ控除や特例が使えなかったりする可能性があります。不動産会社のウェブページやパンレフレットなどで税金について書かれていても、現場で応対する営業担当者は理解していないということもあるかも知れません。
なので、「売却すると税金はいくらかかるか」「控除や特例は何があるか」といった具体的な質問を直接ぶつけてみるといいでしょう。もし回答に充分な知識がなかったとしても、その場ですぐに調べるといった対応はできて欲しいものです。
⑤当該物件の長所と短所について的確な評価ができるか
長所も短所もあるというのが中古住宅です。長所を積極的に買い主に主張するのは当然であっても、短所となる欠点についてはあまり話したくないのが人情というものです。かと言って欠点を話さずにいて後からトラブルになっては元も子もないので、買い主の購買意欲を損なわないようなニュアンスで、さりげなく欠点を伝えておくことが必要です。
具体例としては、家の前に植えてある街路樹が毎年秋になると排水溝が埋まるほどの落ち葉を落とすといった物件の場合、買い主が内覧で訪れた時に、秋には落ち葉が多いので掃除するようにしてくださいねと言った感じで、それとなく伝えておければ売った後にトラブルになるリスクを減らすことができます。営業担当者が自分の物件の欠点についてどんなふうに買い主に伝えるのか、質問してみるのもいいと思います。
⑥売却の他に、賃貸に出すなどの選択肢も提案できるか
物件によっては売却するよりも、賃貸に出したほうがいいというケースもあるかと思います。とはいえ、ほとんどの営業担当者は利益を優先するせいか、売却を優先した提案に集中しがちとなるようです。
賃貸に出した場合の収支シミュレーションをしてもらって、結果を比較してみるといいでしょう。家主にとって最大の利益を導き出せるように、あらゆる可能性を考慮して比較検討することが大切なのです。
⑦宅地建物取引士の資格があるか
「宅地建物取引士」は、不動産業界で働く人の基本的な資格として知られていて、2015年まで「宅地建物取引主任者(宅建)」と呼ばれていた資格です。契約締結の際に重要事項の説明を行なうために必要な資格であって、不動産会社の社員だからとはいえ一般的な営業活動をしているだけなら持っていなくて問題ありません。
不動産会社のオフィスには、割合にして5人に1人宅地建物取引士の資格を持つ人がいればいいことになっています。とはいえ、不動産会社の営業担当者であるからには持ってないより持っている方が顧客としては何かと心強い重要な資格ではあります。
同様にファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーといった資格も持っている営業担当者ならばなお頼りがいがあります。資格取得にそれなりの労力を注いでいるはずなので、仕事に対する姿勢にも違いが現われると思います。資格だけで判断はできませんが、信頼できる営業担当者を見極めるために必要な一つの要素です。率直に「宅建の資格はありますか?」と聞いてみるといいでしょう。
大手がいいのか地元の中小不動産がいいのかも考えてみましょう。
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1社のみに査定を依頼して売却を進めることがありますが、不動産会社によって査定額はまちまち。300万円~500万円、それ以上違うことも普通。複数社の査定を行うことは必須です。