中古マンションの売り出しから内覧準備までのポイント
マンションの売り出しから内覧まで
売却開始価格が決まり、不動産屋と媒介契約も締結した後に、マンションが、依頼した不動産屋の販売活動を通じ売り出しが始まります。
そして、売りに出してからの大切な第一ステップを迎えます。それは「購入希望者の内覧」です。
中古マンションを売りに出して、「買主が見ないで買う」ということはまずありません。買主は、絶対に現物を見てからしか買いません。つまり「購入希望者が内覧に来る」というのは、マンションが売れるための非常に大切なステップなのです。まず内覧に来てもらわないと売れないのです。
あなたがA不動産屋と専任媒介契約を締結した場合、どのようなルートや流れで内覧が行なわれるかということについて説明していきましょう。
① A不動産屋に、すでにあなたのマンションの購入希望者がいる
これは絶対にないことではありませんが、かなり少ないケースです。こういう場合であれば、A不動産屋は媒介契約を締結すれば、すぐにそのお客さんに物件情報を紹介して内覧に来られることでしょう。
② 他の不動産屋の見込み客、または他社のチラシに掲載されたあなたのマンションの情報を見た購入希望者が内覧を行なう
ほとんどの場合は、こちらの②ケースです。不動産屋はあなたと媒介契約を締結した後、専任媒介契約であれば媒介契約締結の日から7営業日以内、専属専任媒介契約であれば5営業日以内に「指定の流通機構」に物件情報を登録する義務があります。
この「指定の流通機構」というのは、不動産業界で物件を登録して、不動産会社同士で物件情報を閲覧できるシステムである、「レインズ」のことです。専任媒介契約にはこのような規定があるため、たいていの場合、不動産屋は媒介契約を締結後速やかに物件情報をレインズに登録します。
すると、翌日もしくは翌々日にはあなたの物件情報が「新着物件情報」として、レインズに登録している多数の不動産屋に配信されます。不動産屋は、新着物件情報に目を光らせています。なぜなら、自分のところに見込み客がいても「希望するマンション」がなければ絶対売れないからです。だから自社のお客さんに紹介できる物件が登録されていないかと、新着物件情報には目を光らせているのです。
新規に登録されたあなたのマンションの情報が「これはお客さんに紹介できる」という情報であれば、購入希望者を持っている不動産屋はA不動産屋に電話して「お客さんに紹介していいか? 内覧に連れて行ってもいいか?」という確認を行ない内覧に来ます。他社のチラシに掲載されたものを見て、内覧に来る場合も同じです。
他社のチラシ掲載、広告の方法については、もちろん事前にA不動産屋のところに確認の連絡が行きます。ちなみにこういった確認事項について、他の不動産屋から直接売主さんに連絡が入ることはありません。必ずあなたが売却を依頼した不動産屋を通して連絡があります。
なお、①のケースも②のケースも、成約時にあなたが仲介手数料を支払うのはA不動産屋だけですからご安心ください。
中古マンションを売るためには、まずは内覧に来てもらうことが大切です。
①内覧に来る見込み客を迎える準備
あなたのマンションにいよいよ購入の見込み客が内覧に来ます。その際、売主としてどのような準備をしなければいけないのか、そして、見込み客はどこを見るのかという、2点についてお話をします。
まず準備としては掃除・整理整頓です。これが基本であり、これがすべてともいえます。見込み客は「未来の自分の城」を夢見て内覧に来ます。
ところが、玄関を開けてマンションに入った瞬間、靴が散らかっている。廊下にホコリが舞っている。洗面所やお風呂には髪の毛が落ちている。台所は洗っていない食器でいっぱい。リビングは散らかっていて、テーブルの上にはチラシが散らばっている……。
買主なら、こんな家に住みたいとは思いません。また、住んでいる状態でマンションを売る場合、アポイントなしで突然内覧に来ることはないので、事前に決められた内覧日までに整理整頓をしておきましょう。
見込み客が内覧に来るということは売れるチャンスです。このチャンスをものにするためには、売主として手を抜いてはいけません。見込み客が見に来る前は、できるだけ掃除・整理整頓に努めてください。
②内覧に来た見込み客が見るポイント
まず玄関。玄関をきれいにしてください。玄関はあなたのマンションの顔です。入った瞬間の玄関のイメージは、大きく印象を左右します。
そして玄関から入った内覧者が、最初に行くところはリビングです。生活する時間の中で一番長くいることになるリビング。内覧者はまずここを見ます。
このリビングが気に入ってもらえれば、多少寝室が狭くても売れます。逆にリビングが気に入ってもらえない限り、マンションは売れません。次にキッチン。毎日家事をする立場から見れば、キッチンの使い勝手は生活そのものの効率を左右します。よってキッチンの使い勝手、動線はチェックの対象です。
続いて、洗面所・お風呂・トイレ。毎日使う水回りです。特にお風巴は広さもですが「浴室乾燥機」や「追い焚き機能の有無」などを気にされます。
そして忘れてはいけないのはバルコニー。このバルコニーはきわめて重要です。一般的なマンションの場合、リビングからバルコニーに続いている間取りが多いです。その際、リビングが多少狭くても、バルコニーに開放感があれば全体としてゆったり広々した印象があります。
またご近所からのぞきこまれないかということや、洗濯物を干すための使い勝手など、バルコニーは内覧者がチェックする重要なポイントです。この「見込み客を迎える準備」と「見込み客が見るポイント」を押さえておくことは非常に大事です。なぜなら、急ぎの内覧者がある場合も「どこから掃除すればいいのか」のポイントになるからです。
つまり、内覧者が見るであろうポイントから掃除しておけばいいのです。ですから、最低でも「玄関」「リビング」「キッチン」の整理整頓はしておきましょう。そして、時聞があればバルコニーを掃除してください。バルコニーはリビングと一緒に見られますので、きれいにしておくことは重要です。
ちなみに、不動産屋がお客さんを物件に連れて行くときは「さらに念入りな準備」をします。とはいっても、それはお金がかかることでもなければ、難しいことでもありません。
内覧の5つのポイント
①窓を聞ける
空気を通すともいいます。窓という窓を全開にして、家の中の空気を入れ換えます。住んでいると気づかないとは思いますが、家にはそれぞれの「気」があります。その「気」がこもっていると、見に来た見込み客も精神的に構えてしまいます。
そこで、まず窓を開けて風を通し空気を入れ換えることで室内の「気」を中和し、内覧に来た見込み客を受け入れる環境を作ります。また、風を通すことで小さなホコリや家のニオイなども飛ばせますので一石二鳥です。さらに風通しのよさもアピールできると、一石三鳥となります。
②電気をつける
家中のてください。昼間であってもつけてください。日当たりのいいリビングであれば、最初は電気をつけておいて「電気を消しても充分明るいのです」と電気をあえて消すことで日当たりのよさをアピールできます。また、明るいだけで人間は心を惹かれます。これは心理学でもある程度、証明されています。
③男性は外に
ご主人がご在宅の場合は、見込み客が内覧に来るときだけ外出してもらいましょう。
見に来る立場からいえば、奥さんや女性が在宅なのはいいのですが、やはり男性、ご主人がいるところを見て回るのは気を遣うといわれます。リラックスしてじっくり見てもらうためにも、ご主人には申し訳ありませんが内覧の聞は外出してもらいましょう。またお子様がいる場合は、ご主人がいっしょに外に連れ出しましょう。
④スリッパを用意する
世の中には、家の中でスリッパを履いて生活する人と履かない人とがいます。売主がスリッパを使わない生活をしていても、見に来る人はスリッパを履く生活をしている場合があります。そうすると、玄関から入ろうとしてスリッパがないととまどうのです。高いものではありません。ふだんスリッパを使わない方もスリッパを用意しましょう。
⑤内覧者に話しかける
あなたが家を売ることに真剣なように、内覧の来る見込み客も「間違いのない家選びをしよう」という心理状態です。不動産屋が「リビングが広いですね」といっても「どうせセールストーク。」という心理が少なからず働きます。
だから不動産屋が話すよりも、実際に住んでいた所有者の言葉のほうが大切です。ただ話し方にちょっと工夫が必要です。それは「売主の意見」として伝えないこと。
「このリビングは広くて気に入っているのです」といえば、「そりゃ、自分の家だからいいようにいうよね」と思われてしまうこともあるので、
- 「お友達からも、リビングが広くていいねってよくいわれるんです」
と、自分の意見ではなく第三者の意見だということを強調するように意識するのですと効果的です。
参考記事
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