
一条工務店は本当に高いのか?
一条工務店の価格帯とハウスメーカー内での位置づけ
一条工務店の坪単価は80万円〜100万円で、最も価格を抑えられる大手ハウスメーカーの一つです。
積水ハウスや大和ハウスが坪単価100万円超となる中、一条工務店は中上位価格帯でありながら業界最高水準の断熱性能を実現しています。

ハウスメーカー坪単価ランキング
順位 | メーカー | 坪単価 |
---|---|---|
第1位 | 積水ハウス | 約120~150万円 |
第2位 | 大和ハウス工業 | 約120~148万円 |
第3位 | パナソニックホームズ | 約100~145万円 |
第4位 | 旭化成ホームズ(ヘーベルハウス) | 約120~130万円 |
第5位 | 住友林業 | 約115~130万円 |
第6位 | ミサワホーム | 約110~120万円 |
第7位 | 三井ホーム | 約100~120万円 |
第8位 | セキスイハイム | 約85~110万円 |
第9位 | トヨタホーム | 約85~105万円 |
第10位 | 一条工務店 | 約80~100万円 |
「家は、性能。」のキャッチフレーズが示す通り、同社は性能面での差別化戦略を徹底。UA値0.25W/㎡・Kという非常に高い断熱性能は、価格帯の近いセキスイハイムやトヨタホームを大きく上回ります。全館床暖房と太陽光発電の標準装備も含めた総合的なコストパフォーマンスでは、他社を圧倒する水準です。
自社工場での一貫生産により品質の安定性を確保しつつ、高性能住宅を適正価格で提供する「性能特化型」のポジションを確立。価格と性能のバランスを重視する施主にとって、最も合理的な選択肢となっています。
一条工務店の標準仕様
一条工務店の坪単価には2×6工法による高性能構造材、全館床暖房システム、高断熱サッシ、高断熱に欠かせない「3枚窓+ハニカムシェード」が標準で含まれます。キッチンやバスなどの住宅設備も基本仕様として価格に反映されており、他社と比較して標準装備が充実している点が特徴です。
見積もり時は標準仕様の詳細内容と追加工事の範囲を必ず確認しましょう。一条工務店は標準装備が手厚い分、追加費用を抑えやすく、予算計画が立てやすいハウスメーカーといえます。
商品ラインナップ別 坪単価 上位モデル・下位モデル
上位モデルの坪単価と特徴
- GRAND SMART(グラン・スマート)

一条工務店の最上位モデルであるGRAND SMARTは、坪単価75〜90万円。デザイン性を重視した商品で、ヨーロピアンや和モダンなど選べる多彩なインテリアスタイルが魅力。在来工法により間取りの自由度が高い。断熱性能はi-smartに劣るものの、上質な内装や外観で高級感ある暮らしを実現できる。
- GRAND SAISON(グラン・セゾン)

GRAND SAISON(グラン・セゾン)の坪単価は70~80万円で、上位モデル。デザイン性を重視した商品で、ヨーロピアンや和モダンなど選べる多彩なインテリアスタイルが魅力。在来工法により間取りの自由度が高い。断熱性能はi-smartに劣るものの、上質な内装や外観で高級感ある暮らしを実現できる。
- i-smart(アイ・スマート)

i-smart(アイ・スマート)の坪単価は60~80万円。一条工務店の主力商品という位置づけ。「超省エネ・超健康住宅」を掲げる高性能モデル。外内ダブル断熱構法と全館床暖房を標準搭載し、快適さと光熱費削減を両立。シンプルモダンな外観と高性能を武器に、コストパフォーマンスの高さで人気。ZEH基準を超える性能も備える。
予算を抑えたい方向けのモデル
- i-cube(アイ・キューブ)

i-cube(アイ・キューブ)の坪単価50~65万円。エントリーモデルだが、一条工務店の基本性能は確実に受け継いでいる。i-smartより価格を抑えつつも、省エネ性能や全館床暖房はしっかり確保。外観はシンプルで飽きがこず、ファミリー世帯に人気。外壁タイルなど一部オプション仕様だが、コストを抑えて一条の性能を享受したい人向け。
- SAISON A(セゾンA)

SAISON A(セゾンA)の坪単価は、45~60万円とハグミーを除けば、最も安い価格帯。自然素材を生かしたヨーロピアンテイストの空間が特徴。無垢材を使った温かみのあるインテリアと、在来工法による自由な間取りが魅力。高性能な一条の家の中でも、落ち着いた雰囲気と価格のバランスを重視する人に選ばれる。
- HUGme(ハグミー)

一条工務店の規格住宅シリーズで、45周年記念商品。プランや仕様をある程度固定することで低価格を実現。坪単価は50万円台からと手が届きやすく、性能も一定水準を確保。コスト重視ながら「一条品質」を体感でき、初めてのマイホーム層に人気。
「3000万円で一条工務店」は可能?総額費用の内訳
一条工務店で建物本体価格3000万円以下で建てられる商品
一条工務店で建物本体価格3000万円以下を目指すなら、i-cube、SAISON A、i-smileが現実的な選択肢です。i-cubeは坪単価60万円台からの設定で、35坪程度なら2100万円台から建築可能。SAISON Aは規格住宅として価格を抑えつつ、一条工務店の高断熱性能を維持しています。
ただし、これらはオプションを含まない基本価格です。実際の建築では床暖房エリアの追加や設備のグレードアップで200万円〜500万円の追加費用が発生するケースが一般的。地域によっても価格差があり、首都圏では坪単価が5万円〜10万円上昇する傾向があります。
予算3000万円以下での建築を検討する場合、坪数を30坪前後に抑え、オプションを最小限にした綿密な資金計画が必要。事前の詳細見積もりで総費用を把握することが成功の鍵となります。
建物本体価格以外にかかる諸費用
一条工務店での家づくりでは、建物本体価格に加えて総額の10〜20%程度の諸費用が必要です。
主な諸費用- 外構工事費(100万円〜300万円)
- 登記費用(30万円〜50万円)
- 住宅ローン手数料(50万円〜100万円)
- 火災保険料(20万円〜40万円)
- 地盤調査費(5万円〜10万円)
- 地盤改良工事(50万円〜150万円)
- 上下水道引き込み工事(50万円〜200万円)
- 家具・家電購入費(200万円〜500万円)
- 引越し費用(10万円〜50万円)
建物本体価格2500万円の場合、諸費用込みで3000万円〜3500万円程度が総額の目安。契約前に地盤調査結果や引き込み工事の有無を確認し、各項目の詳細見積もりを取得することで予期しない追加費用を回避できます。
一条工務店の住宅はどんな人におすすめ?
一条工務店を選ぶべき人の特徴

一条工務店は光熱費などのランニングコストを長期的に抑えたい人に最適です。業界最高水準の高断熱性能により、月々の電気代を一般住宅の半分以下に削減できるケースも多く、30年間で数百万円の節約効果が期待できます。
耐震等級4相当の構造と高い品質管理により、家族の安全と住宅の資産価値保持を重視する人にも向いています。将来の売却時でも性能面での優位性が評価されやすく、長期的な投資価値があります。
標準仕様で全館床暖房や太陽光発電が付帯するため、追加工事費用を最小限に抑えたい人には特にメリットが大きいでしょう。他社では数百万円のオプション費用となる設備が標準装備されており、総合的なコストパフォーマンスに優れています。性能重視かつ合理的な判断を求める人にとって理想的な選択肢です。
他のハウスメーカーを検討すべき人の特徴
初期費用を最優先し予算が限られている人には一条工務店は適しません。坪単価80万円台からの価格帯は、ローコストハウスメーカーと比較して500万円〜1000万円高くなるケースが多く、タマホームやアイダ設計などがより現実的な選択肢となります。
独創的なデザインや特殊な間取りを重視する人にも制約があります。「一条ルール」と呼ばれる設計基準により、自由な窓配置や複雑な形状が制限され、自社製品中心の仕様では選択肢が限定的。建築家との自由設計を望む場合、住友林業や三井ホームの方が柔軟性に優れます。
細かなカスタマイズや多様な建材・設備メーカーから選びたい人にとって、一条工務店の標準化されたシステムは窮屈に感じる場合があります。設計の自由度と多彩な選択肢を求めるなら、他社での検討が賢明です。
一条工務店で費用を賢く抑える秘訣
予算オーバーを防ぐための計画の立て方

予算オーバーを防ぐには土地選びの段階から慎重な計画が必要です。変形地や狭小地では建物形状の制約により坪単価が上昇し、100万円〜300万円の追加費用が発生する場合があります。購入前に建築制限や日照条件を確認し、一条工務店の設計基準に適合するかを事前調査しておきましょう。
一条工務店は標準仕様が充実しているため、本当に必要なオプションの見極めが費用抑制の鍵となります。床暖房エリアの拡張や収納追加は魅力的ですが、生活動線を考慮して優先順位を明確化。営業担当者には「絶対必要」と「あれば良い」オプションを分けて相談することが効果的です。
総予算の80%を建物本体価格に設定し、20%を諸費用として確保する資金配分が安全。契約前に全ての費用項目を書面で確認し、予備費として50万円〜100万円を準備しておくと安心です。
間取りや仕様でコストを下げる工夫
建築費用を抑えるには間取りをシンプルにし、凹凸の少ない四角形に近い形状にすることが効果的です。複雑な形状は基礎・屋根・外壁の面積が増加し、同じ床面積でも100万円〜200万円のコスト増につながります。1階と2階の大きさを揃えることで構造材や施工効率が向上し、費用を削減できます。
水回りを一か所に集約すれば配管工事費を抑制でき、50万円〜100万円の節約が可能。キッチン・洗面・浴室を隣接配置することで給排水管の延長を最小限に抑えられます。
規格住宅のi-smileやHUGmeを選択すれば、自由設計より300万円〜500万円のコストダウンが実現。標準化された間取りと仕様により施工効率が向上し、一条工務店の高性能を維持しながら価格を大幅に抑制できます。快適性を損なわずコストを削減する賢い選択肢です。
まとめ
- 一条工務店の坪単価は平均80万円前後で、最も価格を抑えられる大手ハウスメーカーの一つ。業界トップクラスの住宅性能と充実した標準装備。
- 「3000万円で一条工務店の家を建てる」ことは、i-cubeやHUGmeなどの商品シリーズであれば建物本体価格の範囲内で実現可能ですが、土地代や外構費、諸費用を含めた総額は大幅に上がることを理解しておく必要があります。
- 費用を抑えるためには、紹介制度の活用、間取りのシンプル化、早めの仮契約などが有効な戦略です。
- 一条工務店の住宅は、高い断熱性・気密性・耐震性により長期的に見た光熱費やメンテナンス費用の削減が期待でき、トータルでのコストパフォーマンスに優れています。
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