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親から相続した家を有効活用する方法

自分の実家であり、親が住んでいた家、手放したくないけれど自分にも既に住居があるといった場合、どんな選択をするべきなのでしょうか。貸す?売る?どちらが家を有効的に活用できるのか考えてみましょう

年期の入った築年数の家はお荷物に?

例えば、築年数が16年以上ともなれば、かなり年期の入った物件とみなされます。地方都市よりも更に郊外地域なら築年数16年以上はお荷物物件となります。農村地帯や漁村といった辺鄙なところとなれば築年数はもはや関係ありません。貸すにしても売るにしても間違いなく時間も手間もかかることになるでしょう。逆に言えば、築15年以内であれば、初期リフォームなどなくても「貸し物件」として十分に価値あるものと認識されます。

空き家の有効活用には『売る』選択肢がベスト

自分は既にマンションや持ち家があり、将来もそこに住み続けることが決まっているのであれば、空き家になってしまった親の家はなるべく早く『売る』方向で動いた方が賢い選択だといえます。その理由は最もシンプルで誰にでもできる有効活用法だからです。不動産の価値はそう簡単に上がるものではない上に、ビジネス目的で活用するとなると素人には難しいからです。

1.手間なし時間のロスなしのシンプルな方法

不動産会社に連絡、またはインターネットでの不動産一括査定などをして、売却の依頼さえすればあとは何もしなくても良いというのが『売る』選択肢最大のメリットです。契約から次の家主となる方への引渡しなどすべての手続きは不動産会社が行ってくれます。売却が決まれば、売却益に対して税金の申告を行い万事OK、終了です。

2.様々な管理コストをカットできる

相続してそのまま家を持ち続けるとなれば、固定資産税や都市計画税、家の維持管理費用や光熱費、その他様々なコストの出費は避けられません。概算を出してみても年間50万円はくだらないでしょう。

3.不動産の価値は時間の経過と共に下がり続ける

誰も住まない空き家となってしまうと、家はどんどん老朽化していきます。家が傷んでいけば買い手は見つかりにくくなります。また時間が経つにつれ不動産の価値は下がり、売り出し価格も下がっていきます。ちなみに景気が上がれば不動産の価値も上がるだろうという考えはリスクありです。相当な好立地でもない限り価値が上がると期待するのはやめたほうがいいでしょう。

4.空家率は増加、人口は減少する将来

日本の人口が減少傾向に向かっている事に対して、空き家のパーセンテージも13%を超えているといわれています。住む人は減り、家だけが有り余る状態になってしまえばますます売れなくなります。特に築25年以上経過しているような場合は一刻も早く売りに出すことをお勧めします

5.売りたくないからまずは『貸す』はあまり意味がない

自分が育った家、親の家をすぐには売りたくない、という気持ちはわかります。そこでひとまず誰かに貸すという選択をする方もいるでしょう。しかし借り手が見つかったところでその借り手がいつまで住むかはわかりませんし、退去後の借り手がまた見つかるとも限りません。不動産の価値は時間と共に劣化していくので、借り手がつくよう設備投資するか家賃を下げるかという結論になります。

時間がだいぶ経過してから最終的に売ることに決めても、時既に遅しという事態になっていることもあります。家の老朽化、価値の下落、買い手はなかなか見つからないとあまり良いメリットはないのです。

『貸す』選択肢は採算の取れない収支になる

家を売ってしまうのがベストな選択だと理解していても、やはりその決断に至れずとりあえずは『貸す』方向で考える方もいるはずです。その場合は本当に誰かに『貸す』ことを前提にシュミレーションし、収入と支出についてじっくり検討してみてください。現実的な収支の数字を客観的に見ることは非常に大事なことです。

収入

  • 家賃(継続収入)
  • 借主から毎月賃料として支払われるお金

  • 管理費(継続収入)
  • 借主が支払う住宅の管理費、共益費

  • 礼金(一時収入)
  •  新規契約時に借主がお礼の意味をこめて支払うお金(家賃1ヶ月もしくは2ヶ月分) 但し最近は礼金なしという物件が増えています。

  • 更新料(一時収入)
  • 2年、3年など賃貸契約更新時に借主が支払うお金(更新後に支払う新賃料の1ヶ月分) 但し最近は更新料なしの物件が増えています。

  • 預かり金
  • 借主から建物の修繕費用などの支払いを担保として預かるお金=敷金(賃料1ヶ月もしくは2ヶ月)

借主が退去する際には、住居の修繕やクリーニングなどが敷金より支払われ、後に差額がある場合には返金されます。

支出

  • 管理委託費(継続支出)
  • 入居者、建物の管理を委託するために不動産会社に支払うお金です。入居者の問い合わせや苦情対応に加えて、賃料の集金管理や建物のメンテナンスなどを行ってもらうために支払います。(賃料の5%)

  • 固定資産税(継続支出)
  • 都市計画税(継続支出)
  • メンテナンス費(一時的)
  • 初期リフォーム費用、建物の修繕費用、退去時のクリーニング費用などが含まれます。

  • 仲介手数料(一時的)
  • 入居者を集う際に不動産会社に依頼する際に支払うお金です。(賃料の0.5ヶ月から1ヶ月分)

  • 雑費、諸経費(一時的)
  • 損害保険料や交通費、通信費など

収支の一例をシュミレーションしてみよう

2年間借り手がいたが、退去後3ヶ月の空き時間がありその後また入居者が決まった、契約では4年間貸すことになっている、という設定です。※初期リフォームなどは行っておらず、最初の借り手が退去後に壁紙の張替のみ

【貸出条件】

  • 期間4年間
  • 所在地 福岡県久留米市
  • 家賃7.5万円
  • 管理費、共益費 なし
  • 築年数15年
  • 間取り 4LDK (広さ110㎡)

収入に関して

  • 337.5万円
  • 家賃7.5万円×9ヶ月(初年度※3ヶ月の空きがあるため)=67.5万円+7.5万円×3年(=270万円)  ※敷金礼金は0とします

支出に関して

継続的支出198万円+一時的支出128.2万円=326.2万円

  • 税金約45万円
  • 維持管理費4.5万円×4年間=198万円
  • 壁紙張替費用80万円
  • クリーニング費用20万円
  • 仲介手数料7.5万円×2回分=15万円
  • 損害保険料(=一年契約の火災・地震保険)13.2万円(3.3万円×4年間) 

結果

収入337.5万円-支出326.2万円 =残11.3万円

このように実際の数字を出してみると、収支のバランスやだいたいの費用がどれくらいかかるのかを客観的に知ることができます。貸す選択肢を選ぶ前にじっくりとお金のことを検討することが大切です。

賃貸経営を成功させるための条件

この実例をもとに、親の家に新たにアパートやマンションを建てて経営するための必要

条件は次の5つだと考えます。

1.この土地を何としても手放したくないという熱意

この土地を有効に活用して保有し続けたい!という、まず熱意あってのものです。

2.経営者としての資質や経験

アパート、マンション経営は、少なくとも数億円を投資し、十数年以上かけて回収するという長期的視点で事業収支を組み立てることが求められます。借り手の確保、建物の維持管理、収益管理等々、常に経営者としてマネジメントする必要があります。

3.不動産ビジネスについての知見

アパートやマンションは不動産です。不動産市場についてよく知っていなければ、経営しているアパートやマンションの商品力が高いのか低いのかすらわかりません。

4.資金調達力

アパートやマンションの建設資金は銀行ローンで調達し、家賃収入で返済するというのが一般的なビジネスモデルです。投資資金が回収できるという判断なしには、銀行は融資をしてくれない、という厳しい現実があります。

5.きょうだい聞での納得のいく親の家の相続分割

アパート、マンション経営ができる土地は一等地です。そして一等地の価値は高く評価され、高額で売却されます。さっさと売って現金化し分割したい子、この土地は手放したくない子、というように親の土地をどうするかについて、きょうだい間でなかなか意見が一致しません。その場合、土地を手放したくない子がほかのきょうだいの相続分を現金で払う。払えないなら、最終的に売却して分配するしかありません。

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