不動産売却の段取りと注意点─売り急ぐと不動産会社に付け入れられる隙ができる

不動産を売却するの段取りと注意点

日ごろ私たちは、自宅や不動産を「売る」ことを想定して生活していません。

相続や離婚、住み替えなどの理由ができて、短い時間の中で「売る」ことを決めざるをえない場合が大半です。

業者を選定し、資産の分割や新しい住まいの購入など、短期間に大切なことをたくさん決定しなければなりません。

しかし、不動産売却という一連の作業は、プロでも大変な仕事です。これをほとんど経験のない皆さんがうまくやり遂げるのは難しいと考えるのが賢明です。まして、信頼できる、誠実な仲介パートナーがいなければすぐに高値で売るのは困難です。

将来、不動産を売却する可能性が少しでもあると感じている人は、実家の売却など、不動産の売却をしなければならない時に備え、次に挙げる項目程度の心の準備はしておいていただきたいと思います。

  1. 日ごろから、売却を想定し、備えておくこと。売却する場合に「関係者」となる家族や兄弟、親戚と、売却の可能性や自分の気持ちなどを普段から少しでも話しておく。
  2. 友人知人、信頼できる人のなかに不動産関係の仕事をしている人がいないか探して、「もし売却するときは、お願いするかもしれません」と話して、実際に取引するときの情報をあらかじめ収集しておく。
  3. 近隣の売却広告などを集め、相場観をチエツクし、自分の不動産がどの程度の価格で売れるかを想定しておく。

こうして心の準備をしていたとしても、「急なこと」ですから、「高く」より「早く」を優先せざるをえない場合が生じます。しかし、急ぐと最後は時間に追われ、妥協せざるを得なくなります。そこが、仲介業者に付け入られる隙にもなります

たとえば、相続税を払うための不動産の売却を考えてみてください。相続税の納期は被相続人の死亡から10ヵ月以内ですから、兄弟姉妹など相続人間で話し合いをしていれば、すぐに経ってしまう時間です。

納期間際になって、あわてて仲介業者に相談しても、「低価格で買い取るチャンス!格好のカモが現れた」思われかねません。

では、どう対応したらいいのでしょうか?

  • できれば金融機関に相談し、現金を借りていったん相続税を納税する。それからゆっくり売却を検討する。
  • 銀行からの融資が無理ならば、最悪、親戚に相談してお金を借りてでも、先に納税する。
  • 高く売れないのであれば、物納を検討し、税務署と相談する。
  • 仲介業者に依頼する場合でも、「金融機関と親戚に一時的な借入れを相談している」と伝え、競争の原理を入れておく。仲介業者は、自分たちの思惑だけでやれると思う場合より、勝手なことがやりにくくなる。

日本人の多くは人がよく、ついつい自分のことを喋ってしまいます。売却を決意した事情など、本当は仲介業者に話す必要もないのです。事情を話して、相手に付け込まれないようにすることが、本当は大切です。

売主さんは、仲介業者を「信頼できるパートナー」だと頼りますが、実際には「低価格でもいいから早く売って利益を出したい」と考えているかもしれないからです。

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