| 平成16年度「建設業に働く若者からのメッセージ」コンクール入賞 |
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| 平成16年度「建設業に働く若者からのメッセージ」コンクール
(厚生労働省、国土交通省、雇用・能力開発機構主催)におきままして、アクセス事業部大阪圏統括部 黒部能仁さん(平成10年入社) が独立行政法人雇用・能力開発機構大阪センター所長賞、アクセス事業部京滋圏統括部 坂下良一さん(平成6年入社)が入選作品に選ばれました。 授与式が11月19日、建設交流会館にて行われ、大阪センタ長より賞状と記念品が授与されました。 |
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| 派遣期間を終えた今思うこと アクセス事業部大阪圏統括部 黒部能仁 |
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| ちょうど2年前、早めの夏の訪れを告げるべく蝉が合唱を始めた頃の事。それは入社以来4年間勤めてきた私を打ち合わせ室へ呼んだ現場事務所の工事長から発せられたあまりにも突然の一言だった。「ある通信系他企業へ出向してくれないか?」 あと何年かは現場の空気に揉まれ工事長の補佐としてデスク業務を続けることになるだろうと思っていたし、社内での異動ならまだしも今まで慣れ親しんだ設計及び施工に関連する諸先輩方、協力会社の施工班の方々と別れ、全く未知の場所へ派遣されるなど微塵も思っていなかった。 勤務時間が終わり、気心知れた友人に事務所を出て缶コーヒーを飲みながら話をしたところ沈んでいた私を気遣い、「誰もが出来ることではないし、今後きっと貴重な経験になると思うから自信を持って頑張れ。」と励ましてくれた。その夜は全く先の見えない言いようの無い不安と勤務先での業務の想像を膨らませたせいで一晩中眠る事が出来なかった。 1週間後、派遣先のオフィスビル7階に1人やってきた私は今までとは全く違う視界を眼にする。印象に残っているのは、これまでの職場とは対照的なそのビルの大きさとガラス張りのフロアに降る陽の光の眩しさだった。新任の挨拶で何を言ったか既に記憶には無いが、まるで転校してきた小学生のように大声で自分の名前を言った事だけは憶えている。とにかく自分の名前と顔は職場の方々の頭にインストールして頂きたかったからである。そうすることで何かが始まるきっかけになるとただ漠然と思った。業務に関係する他部署のある別フロアへも失礼な事と分かっていながら顔を出し自己紹介をして周った。 私の配属された部署の業務はビル内光ケーブルを使用した宅内開通工事の設計、施工指示及びその検収である。派遣される前はビル内で光ケーブルを敷設し、接続する作業に従事した経験もあったため、接続図や施工場所の平面図には抵抗無く対応できた。 何ヶ月か後、専用フォーマットによる検収業務等資料作成もこなせるようになり、ひと安心したものの、やはりというべきか想像以上に大変だったのが職場での人々との信頼関係の確立である。私と同じように他企業より派遣されてきた社員が約半分を占めるその職場は様々な会社の思惑が混在する特異な雰囲気だった。しかしその環境に呑まれまいと自分の思うことは出来るだけ心にしまわず発言していくように心掛けた。更に施工指示も担当者より出していた事から、施工班の統括者の方、班員の方々とのコミュニケーションも図っていく必要があったのである。会社独自の考えと施工方法があり、開通試験の手順について議論を交わすことが出来るまで時間がかかったのも事実である。 工事の設計、現場への指示業務にも慣れ、営業の方や私と同じ業務をこなす各担当者、施工統括部門の方、施工班の方とも仕事以外の話も可能になったある日、いつものように作業終了連絡を受けるはずだった。しかしその日は違ったのである。夕方、現場の施工班の班長より「光が局から届かないぞ!」という苛立ちの電話が入ったのである。恐らくお客様も近くにいらっしゃり不安な面持ちで開通作業を観ていたに違いない。自席左隣のプロパーの方にも協力して頂きながら原因を究明した結果、それは紛れもなく私にあった。接続箇所の記入が漏れており実際はもう1箇所接続しなければ光が届く訳も無い、という単純且つ致命的なミスであった。回線提供を提案された営業の方、施工日を決定した施工統括の方、当日の施工班員、そして誰より高速光回線使用を心待ちにされていたお客様に多大な迷惑をかけてしまったのである。何とか同日のうちに開通まで漕ぎ着けたのだが、その日は営業の方がお客様対応で自分の業務を放り出し現場に急行、お詫びに伺う事となった。夜遅くその開通工事を終え帰ってきた班員の方々には合わせる顔も無く、ただ一言「申し訳ありませんでした。」としか言えなかった。接続図作成の際、これでいけるだろうという安直な判断が生んだ工事発注から開通試験完了迄に関わった全ての人々にご迷惑をお掛けしてしまった最悪の結末である。 この他にも失敗と呼べる事はあった。自ら現場に行き既設光成端箱より床へケーブルを流す際それを保護するダクトを取り付けた事があったのだが、1週間も経たないうちに、「何だ、これは、はがれてきているじゃないか!」とお客さまよりクレームが入ったのである。私の応急処理的な一時凌ぎの施工による取り付け不良が原因となった。今迄の自分に足りなかった物事そして人に対する考え方、「集中力と責任感の欠如」を思い知らされる出来事だった。 私は、この春派遣された会社における1年と10ヶ月の業務を終え現在の職場に復帰した。更なる工事受注を獲得するべく施工体制強化を図る為、入社1年目及び2年目の2名の社員が代わりに派遣され、私は後方支援と技術指導にまわることとなったのである。今思えば期間こそ非常に短かったが、この経験は、自分のこれからの人生にプラスになったと確信している。他企業通信技術に触れ自己の現場でのスキル向上が図れたのはもちろんだが、様々な人々と接することによってそれまで真っ直ぐ目の前を見ることしか出来無かった自分の視野に幅と奥行きが生まれたのである。今でも意気投合した数人のプロパーの方々とは意見交換会と称して居酒屋で飲んだりしている。 私が派遣期間勤務していたビルは復帰した職場の近くであることから現在も同じ経路を最寄り駅から徒歩で通勤している。一昨年と変わらず信号待ちで立っているだけで汗の吹き出る快晴の下、蝉時雨を聞きながらふと友人の言葉を思い返した。「きっと貴重な経験になるから。」 |
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| 何事にもド真剣に アクセス事業部京滋圏統括部 坂下良一 |
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| 「光陰矢の如し」のとおり、入社して十年が過ぎ、会社では、中堅層に入ろうとしています。 現在従事している業務は、まだ二年程しか経っておりませんが、通信設備の設計という非常に重要でやりがいのある業務に従事しております。早く設計のプロフェッショナルになって若い人を育成したいと努力しているところです。私が入社した時の職場は、工事現場での作業でした。現場での作業と言いますと、実際に電柱を建柱したり、通信ケーブルを街中に張り巡らしたり、お客様の家に電話機を取り付けたりと通信設備の構築あるいは、回線開通工事等様々な作業に携わって参りました。 その現場作業と言われる所で、約六年間従事してきましたが、今でも一番自分の中で強く感じて心の支えになっている事は、「何事にもド真剣に」という事です。なぜ、そのように感じたのかというと、入社して半年が過ぎた時の超ヒヤリハットがきっかけでした。 入社して間もない私を先輩は、現場作業に関するスキルを親切丁寧に指導して下さりました。そして私も少しずつ、仕事にも慣れてきて簡単な作業は、任してもらえるようになり、何でもできると自負していました。 そのヒヤリハットとは、通信ケーブルの中に光ファイバーと言われるガラスで構成された繊細な一本の線を切替える作業でした。その光ケーブルを取り扱う際は、丁寧かつ慎重に作業するのが基本でした。しかし、自分ではまったく気づかなかったのですが、その作業に慣れてきていて、知らず知らずうちに、安易に、雑に、取り扱っていたのでした。じつは、その一本の光ファイバーの中には、何千・何万の重要回線が収容されており、少しの振動・屈折を加える事で、断線状態になってサービス提供が中断し、お客様に多大な損害を与えてしまうのです。 その頃の私は、浅い経験にも関わらず「このぐらい大丈夫だろう」という勘で作業しており、その時、先輩から一渇されました。 「おまえ、何しとんのやぁ」ひどく怒られた瞬間、「このぐらいの事で何故、いちいち怒るのだろう」と思いながら「このぐらい大丈夫ですよ」と、つい反発してしまいました。 それは、やっぱり自分に自信があり、まだ失敗した事が無かったので、自信過剰になっていたのと、もう一つどこかで先輩の事をライバル視していたから負けたくないと言う気持ちが働いてつい言ってしまったのだと思います。先輩との仲もギクシャクしていたそんな矢先でした。他社の方が大きな人為故障を発生させてしまいました。その作業内容は、私が先輩から怒られた時と同じ作業で光ケーブルを雑に扱ったため瞬断し多くのシステムがダウンしてしまったのです。その事は、テレビや新聞にも報道されました。直接作業していた人は、つらいだろうなと思うとともに、私が作業していた時も同じ事が起っていたかも知れないと思うと、背中がゾーッとして冷汗が出ました。 今でも、あの時の事を思い出して、気を引き締めるとともに先輩には頭が上がりません。あの時、先輩に「基本を忘れるな」「経験と勘と度胸にたよるな」と教えて頂いた事を私の座右の銘として「何事にもド真剣に」をモットーに誰にも負けない良品質な設計を目指して頑張っています。もしその先輩に巡り会えなかったり、人為故障が発生していなかったら、今でも中途半端な人生であったかもしれないと感謝しています。これからも「初心忘れず」の精神で邁進していきます。 これから就職しようとしている人へ。 これからは、自分が発した言動や行動に自覚を持ち、気負いせず、何事にもド真剣に取り組んでもらいたい。どんな些細な事でも、 自分のために、家族のために 愛する人のために、そして明るい日本のためにまず自分から変わっていく心構えが必要です。 よく世間では、「最近の若者は・・・」とよく言われがちですが、そういう世間にも一泡見返してやろうではないか。 |
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