不動産売却時の悪習に注意!両手取引・囲い込み・値こなしとは
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実はこう思っている、不動産業者の本音
不動産業者も一つのビジネスとして動いていますから、もちろん利益を上げることを優先的に考えているのは当然のことです。その点をまず頭に入れておかないと、せっかくの良質な不動産物件を期待できる価格よりも低い値で売却させられてしまいます。「不動産業者のカラクリとは何か」を知っておかなければなりません。不動産会社が仲介する際に行う取引には主に二つのパターンがあります。それが「片手取引」と「両手取引」です。
- ※仲介料=不動産の価格×3% +6万円 +消費税
両手取引の方がウマイ
一例を出して具体的に考えてみましょう。片手取引で売り手から3000万円の物件を売却するにあたり、不動産会社が努力して3200万円で売ったとします。努力した200万円アップの部分にかかる3%は不動産会社の取り分となっても、手数料の6万円は変わりません。 しかし両手取引であったらどうでしょうか。たとえ物件が3000万円のままでも手数料は6万円ではなく、ダブルで入ることになるわけです。このような仕組みがあるので、不動産会社としてはすぐにでも買い手を見つけたいと考えるのです。両手取引に持っていけるよう、物件の価格はできるだけ安い値で交渉したいのです。両手取引は売り手には不利な取引。不動産屋の言うがままだと安値に誘導されることがあるので注意が必要
実際、売り手にとって両手取引は不利になる仕組みです。そもそも売り手と買い手の思惑が一致しないからです。海外はどうかというと、両手取引はフェアではないとして違法としているところが多いのですが、日本では法律で禁じられているわけではありません。 逆に大手の不動産会社では両手取引を推進しているところが多いのが実情です。認知度の高い大手不動産会社において調査したところ、平均仲介手数料は5.33%(2013年度)というデータが出ています。(週刊住宅新聞調査による)このデータは手数料上限の6%に近い数字ですから、これらの不動産会社が両手取引だったと仮定してもほぼ間違いないかと思います。 違法ではないので絶対に両手取引をさせない、というように強制することはできません。しかし、不動産会社に言われるがまま両手取引に誘導されてしまうことは避けたいものです。安値で物件を手放すことになってしまいます。囲い込みで情報封鎖。売主は高く売りたいと思っていても、不動産業者は安く買いたいので、顧客の「囲い込み」をすることも
囲い込みとは、「売却依頼を受けた物件の情報を他社に紹介しない」という不動産会社が両手取引と同様に使う手の一つです。 不動産会社は売り手から売却依頼を受けると、そこには責任媒介契約が発生します。その後、売却依頼を受けた物件の情報は業者間で情報共有するために「レインズ(REINS)」という不動産流通標準情報システムに登録しなくてはなりません。これにより、他の不動産業者がレインズに登録された情報を自社の顧客に紹介できる、という流れになるのです。囲い込みの一例
国土交通省の取り組み
売り手が、囲い込みをされているかどうかを確かめるのは簡単ではありません。囲い込みは不正とされているのですが、実情、大手不動産会社ではよく使われています。売り手が物件を売却できるのにその好機を逃してしまうことにもなるので、国土交通省はこの事態を問題視しています。そこで、レインズ登録状況を売り手が直接確認できる「ステータス管理」を導入し、囲い込み是正のために動いています。高い査定額を出して値こなしする
値こなしとは「時間をかけて値をこなす」という意味で、不動産業界の中にある悪習の一つでもあります。初めて不動産売却をする人が知っておきたい5つのステップ
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