不動産を保有するとこで掛かるコスト



支出の管理を徹底し収益の最大化をはかる

不動産賃貸経営で収益の最大化をはかるには、「収入は多く」だけでなく「支出は少なく」を徹底する必要があります。賃貸経営の主な支出費目としては、借入金返済、税金、公共料金、管理費、修繕費などがあげられます。

一般の企業は、リストラの推進と同時に、不動産などの売却資金で借入金の返済を進めます。借入金をなるべく少なくすることで、経営の健全化(財務リストラ)をはかっているのです。

不動産賃貸オーナーの方のなかには、毎月の賃料収入の範囲内で借入金を返済している方もいるでしょうが、金利負担(支出)を減らすという経営の基本を重視すると、借入金の早期一括返済も一考に値するでしょう。

また、これから融資を受けて賃貸建物を建てようとしている方は、空室の増加など昨今の賃貸市場を取り巻く環境を考えると、多額の借入金に頼る賃貸経営は慎重に検討したほうがよさそうです。

建物管理に関しては、全部自分でやる場合には、ほとんどコストはかかりません。小規模のアパートならオーナーだけでも管理できるでしょう。

一方、一定の規模を持つ賃貸住宅の場合、オーナー自身が管理全般を行なうのはかなりの時間と労力を要してしまうので、管理の一部あるいは全部を外部の専門会社に委託しているのではないでしょうか。

支出は少なくという経営方針にしたがうと、「管理費も安く」ということになりますが、管理価格とサービスの質はほぼ連動して上下しますので、管理費は安ければ安いほどいいというわけではありません。

管理会社としても、低価格で業務を受託すると、対応できるサービスの幅を狭くするしかありません。経費削減を優先すると、往々にして人件費が抑制されるため、たとえば管理人の質の低下を招く恐れがあります。

実際、管理人の質が不満で別の管理会社に切り替える例もありますし、一方でホテル業務を経験し外国語にも堪能な管理人を派遣している高級賃貸マンションの例もあります。

このように、ピル・マンションの管理業界(プロパティ・マネージメント) では単なる価格競争の時代は終わり、サービスの内容・品質で競う傾向が強まっています。とはいえ、どこまで外部に頼むかは、サービス内容がコストに見合うかどうかにかかっています。収益性を無視してまで、管理にお金をかけるわけにはいきません。

建物は一定周期で大規模修繕が必要

賃貸不動産の収益の最大化をはかるには、建物の資産価値を維持することも必要です。

特に、空室の目立つ地域では、借り手の目を引くためにも老朽化した建物をそのままにしておくわけにはいかないはずです。

建物の外観のリニューアル(塗装、防水などて給排水・電気など設備の交換やリニューアルなど、資産保全のためにやるべきことはたくさんあります。

人口の減少と、マンション・アパート・オフィスの大量供給によって需給バランスが今後さらに悪化することが予想されるだけに、収益の最大化をはかるためにも、建物の資産価値の保全がこれまで以上に重要になってきます。

一般に、分譲マンションでは、12~13年周期で大規模修繕が発生しています。そして、各区分所有者は大規模修繕に備えてお金を積み立てています。

賃貸建物でも当然、一定周期で大規模修繕を行なうことになりますが、修繕費は借主に求めるわけにはいきませんので、オーナー負担となります。

賃貸オーナーも、修繕積立金に該当する貯蓄が必要になってくるということです。

また、構造物や設備により、その修繕サイクルが異なります。

天井の修繕(塗り替え)時期は10~14年、タイル張りの床の取り替え時期は19~21年です。

建物本体だけでなく、設備に関しても一定の周期で修理・交換が必要になります。主要設備といえる電気系統、水回りなどの配管の耐久性は建物の寿命ほど長くありません。

最近、事故報告の相次いでいるエレベーターに関しても、メンテナンスをいくらしていても永久に稼働するわけではありません。また、光通信などのライフラインのインフラが進化していくと、新しい設備への変更を余儀なくされることもあるでしょう。

大まかな目安ですが電気設備の主開閉器は16~21年、照明器具(屋外)は10~14年、同じく屋内は15~18年、テレビ受信アンテナは9~11年で取り替え時期を迎えることになっています。

さらに、各戸給水管は12~17年、屋外給水管・屋内給水管は12~20年、屋内汚水管は16~24年、屋内ガス管は30年、屋外ガス管は19~21年で取り替えるのが望ましいです。

このほか、エレベーターは30年、警報設備は24年、集合郵便受けは17~23年というのが目安になります。

すべての項目で修繕費用が発生します。こうした修繕費用もあらかじめ支出として見積もらないと、不動産賃貸経営の正確な収益は計算できません。実際に修繕が必要になる時期は当然、物件によって異なります。

自分の所有している物件の修繕時期を知るためには、まず現状認識のために建物診断を行なうことをおすすめします。そして、その診断結果にそって中・長期の修繕計画をたててください。

修繕費用は、賃貸経営を続けるための必要経費ですから、収益最大化のための経費削減の対象ではありません。なお、法的点検を義務づけられている設備(自動火災報知機、エレベーターなど) の点検に必要な費用もあります。

賃貸経営も会社経営と同じですから、あくまでも経済的合理性の範囲で支出を考えることになります。こうした長期の維持管理費という将来の支出まできちんと計画・管理しておかないと、健全な不動産賃貸経営はできないのです。

建物の建設費よりも維持管理費のほうがはるかに高額

一般に、建物の寿命は60年程度といわれていますが、歴史的な建造物を除くと寿命いっぱいまで使用し続ける例はあまりありません。具体的な統計数値はありませんが最近の建物の平均寿命は20~30年程度になっているのではないでしょうか。

日本の分譲マンションの歴史は40年くらいですから、仮に40年で建て替えると、建物の一生にかかる費用のうち、当初の建築費用は20%程度にすぎません。残りの80%は維持管理に要する費用なのです。

築年数の古い建物はバリューアップのための短・中期改修も

先に、不動産賃貸事業で収益の最大化をはかるには中長期修繕計画の策定が不可欠だと指摘しましたが、築年数の古い建物に関しては、短・中期の修繕計画も必要でしょう。

建物の外観などもデザイン性を高めるなど工夫をしたほうが、借り手を確保しやすくなり、結果的に建物の収益価値を高めることになるからです。もちろん、建物をバリューアップするには、それ相当のコストがかかります。

最近のパリューアップの具体例をいくつかあげてみますと、東京都区内にある築30年以上、RC造7階建地下1階、延べ床面積約2500平方メートルというオフィスピルの改修・改装費用は約5200万円でした。

バリューアップの主な項目は、建築では屋上・ルーフバルコニーの新規防水施工、外壁・鉄骨階段の改修など、設備機器では給水配管の更新、消火器・室内消火栓ポンプの交換、エレベーター本体の改修などです。

改修にかかった費用は、防水・外壁関係が約2200万円、エレベーター本体改修を含む設備工事関係で約1800万円、その他約1200万円でした。

また、同じく東京都区内にある築30年以上、RC造7階建地下1階、延べ床面積約500平方メートルのオフィスピルの改修工事費用は約2500万円でした。

改修の主な内容としては、屋上・バルコニーの防水施工、外壁の塗装、エントランス床の貼り替え、共用廊下の塗装、避難器具の交換などの改修工事、給水・消火設備等の設備工事でした。

さらに、同じく東京都区内の築27年、鉄骨造5階建地下1階、延べ床面積約300平方メートルのオフィスピルのバリューアップ費用は約1200万円でした。このピルでは、建物の一部からアスベストが検出されたため、その除去工事費が約25O万円かかっています。

このケースの場合は、5階部分が空室だったため、5階のみの工事となりました。他階については順次アスベスト除去工事を実施していく予定です。なお、いずれのケースにおいても、一定の収益が確保できることを前提に、バリューアップが実施されています。

既存の建物を購入する場合にも、事前調査が不可欠

ここで紹介した3件のオフィスピルはすべて、建物のバリューアップをはかる際に、事前に専門家に依頼して調査を実施し、中期修繕計画を立案し、今後三年間の修繕費用を算出してもらっています。

建物の資産価値を保全するには修繕・補修、バリューアップなどいろいろな方法がありますが、素人には改修するべき箇所を判断することは難しいので、やはり専門家に建物調査を依頼し、改修範囲と概算費用を報告してもらうほうが賢明です。

個人が既存の建物を購入する際にも、専門家による建物調査を行なうことをおすすめします。個人の場合、取得費を抑えるために余分なことはやらない傾向がありますが、最近では取得後に不具合が発覚した事例も少なくありません。

そうなると、余分な経費がかかって当初見通しの利回りが確保できなくなってしまいます。専門家に調査を依頼したほうが、緊急を要するもの、あるいは近い将来必要になる修繕をピックアップし優先することができるので、トータルのコストを考えると、かえって安くつくということもあるのです。

実際、物件取得後すぐに水漏れが発覚し、その対策費だけで500万円もかかったという事例があります。また、高い利回りにつられて古い賃貸マンションを買ったとたんに、新しいオーナーに多数の部屋のガス給湯器の調子が悪いという苦情が届いたという例もあります。

このケースでは、「これだけ値段が安いのだから、設備などに不具合があって当たり前」という理屈で、売主からも仲介業者からも給湯器に関する詳しい説明はありませんでした。売主側の対応に問題があったわけですが、結局、交換費用負担は売主と買主で折半することになりました。

このように建物や設備に修繕を要する箇所があるかどうかは、一般の人が買う時にはまずわかりません。特に、テナントが入居中の物件では、部屋のなかにまで立ち入って調べるわけにはなかなかいきません。

げんじようゅうしこのため、こうした物件は「現状有姿」で買うことになりますが、それではリスクが大きくなるといわざるをえません。やはり、途中で収益見通しに狂いが生じないようにするためにも、専門家に建物を診断してもらい、現状を十分に把握してから、取得するべきでしょう。

個人がすでに稼働している賃貸オフィス・マンションを取得し、予定どおりの利回りを確保することは至難の業といえます。これからは取得経費のなかに調査費用も入れておいたほうがいいでしょう。

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